tbasic でのMediaPlayer の扱いについて(ver.1.62公開しました)

 tbasicでは,mediaplayerの機能を利用できます。この機能はWindowsに含まれるMediaPlayer(従来版)へのインターフェイスを提供することで実現しています。従来からWindowsではこのMediaPlayerが標準的に利用できていましたが,最近ではこの状況が変化してきました。
 tbasicで利用しているMediaPlayerは現在MediaPlayer(従来版), あるいは,MediaPlayer legacyと言われているもので,Microsoft での開発・更新はすでに終了しています。Windows 11 で利用はできますが,最近では,オプションでの利用となり,クリーンインストールでは,含まれていないようです。

 従来のtbasicでは,MediaPlayerを必須としていましたので,これがインストールされていない環境では,tbasicは起動できませんでした。
 この場合,起動するためには,Windowsでのsystem option 機能からMediaPlayer(従来版)をインストール必要があります。この追加は比較的簡単に可能ではありますが,面倒・不便と思われる人もいるかもしれません。
 元々tbasicでのmediaplayer機能は,追加的なもので,本格的なプログラミング言語を利用して,動画機能等をもつアプリを作成するときのお試しのような位置づけでした。ですから,tbasic を利用している人で,このmediaplayer機能を利用している人は僅かと思います。

 このようなことから今回,Ver.1.62より,MediaPlayerをインストールしていない環境でも,tbasicを起動できるようにしました。起動は,MediaPlayeがインストールされていても,されていなくても,特にアラートはなく起動します。勿論インストールされていなければ,tbasicの中でMediaPlayer機能は使用できません。使用すると,「エラー: MediaPlayer がインストールされていません。」と表示されて,プログラム実行が停止されます。
 MediaPlayer機能を必要としていない人にとっては,この方が良いでしょう。

tbasic 1.61を公開しました。

tbasicセット1.61を公開しました。

tbw161set.zip 
https://www.tbasic.org/downloads/index.html

です。

Ver. 1.6 及び 1.61の更新の詳細は,https://tbasic.org/documents/202501WhatsnewTBasic161.pdf
にあります。


Ver.1.6及び1.61の更新は主として,ユニコード,日本語処理関連のものです。tbasicがユニコード対応になったのは,2010年 Ver.1.2ですから,もう大分前のことです。この間,コンピューター利用環境の世界では,ユニコードが徐々に浸透し,今では意識しないでユニコードを利用する状況になりました。

しかし,それでも日本語環境になかで,旧来型のShift_JISエンコーディングが広く使われています。またメール環境の中では 今でも7ビットJISエンコーディングが普通に使われています。昔作成したデータやプログラムがShift_JISで記述されていることも多いでしょう。また,現在でも青空文庫で提供されてる文書は殆ど(すべて?)Shift_JISです。

このような中で,tbasicは初級インタプリタ言語として,できる限りそれらの環境に応じた処理ができるようなツールとして心がけています。種々のBASICがある中で,これはtbasicの特徴の一つとも思えます。それらは主として,読み取り,書き込みが種々のエンコーディングで可能ということで実現できます。今回の更新では,それらをより使いやすいように改良を加えました。

扱えるエンコーディングとしては,普通の使用では,Shift_JISとUTF-8があれば,ほぼ十分と思えます。しかし,tbasicでは,JIS,EUC,UTF-16,UTF-32も扱えます。これらを判定する関数として,GetFileEncodingName関数をサポートしています。

この関数でこれらすべてのエンコーディングを完全に判定することはできませんが,日本語を含むファイルについてはかなり正確に判定できると思っています。元々エンコーディング判定は原理的に完全にはできません。それは,同じファイルがいくつかのエンコーディングでファイルとして意味の持つものが存在するからです。

例えば,内容が”NX”というファイルをShift_JISで作ったとします。このファイルのバイナリとしての内容は,16進数で表すと,2バイトで,

4E 58

となります。これは,単純なアスキーファイルになりますから,UTF-8,JIS,EUCで読んでも内容は “NX”になります。ところが,このファイルをUTF-16のBigEndian として読むと,内容は”乘”になります,また,UTF-16のLittleEndianとして読むと,”塎”となります。ですから,この2バイトのファイルが与えられたとき,エンコーディングの情報が与えられていなければ,なんと読んでよいのか分かりません。

このように,ファイルのエンコーディングは,読む側が,予め知っているというのが原則になります。しかし,それも限界があり,GetFileEncodingName関数それを補完するものとしての位置づけです。

今回の更新では,このGetFileEncodingName関数の改良及び,種々のエンコーディングでの読み書きの改善を図りました。種々のエンコーディングを利用する状況は少ないかもしれませんが,必要になった場合,有効なツールとなると思われます。

binary viewer

tbasicが1.60になりました。これを機会にそのsamplesとして,いくつかのプログラムを作りました。ここではその中から,binary viewer を紹介します。プログラムの名前は,「Tiny Binary Viewer」で,ファイル名は「tbview.tbt」です。tbasic set 1.60 のsamples\Advancedの中にあります。

1.60では新たに,バイナリファイルの読み書きができる ReadAllBytes,WriteAllBytes関数・手続きをサポートしました。この使い方は,Tiny Basic for Windows ファイル操作編(2023年08月版)10節に書いてあります。簡単に言えば,ファイルの内容をバイト列として,読み書きするものです。
この機能を使えば,原理的には,バイナリエディタを作ることも可能ですが,利用目的が思いつかないので,今回は,binary viewerを作ることにしました。バイナリビューアはすべてのファイルのバイト内容を表示するもので。テキストファイル,画像ファイル,文書ファイル,実行ファイルなど,標準的な起動・開く方法とは異なった形式の表示を得ることができます。そして種々のファイルの舞台裏をつぶさに見ることができます。
今回色々なエンコーディングについて調べるときに,それらの内容の確認をするためには,テキストファイルをバイナリとして確認する必要がありました。そして, ユニコードへ(2023年8月版)を書く際に,実際にtbview.tbtを確認用として使いました。

tbview.tbtの起動画面は次です。

ここで,表示は16進表示,10進表示,アスキー表示が可能です。16,10進表示は0~255までの数値ですが,アスキー表示は,制御コードと印刷可能範囲で記号・数値・アルファベットが表示されます。
例えば,「1+1の計算」と記入したテキストファイルをシフトジスでファイル名「1足す1SJIS.txt」として保存して,この内容をバイナリビューアで表示させると,次のようになります。16進表示です。

見ると,ファイル内容は「31 2B 31 82 CC 8C 76 8E 5A」です。この結果は,ユニコードへ(2023年8月版)の23ページでシフトジスでの計算結果に合致します。
同様に,「1+1の計算」と記入したテキストファイルをエンコーディングEUCでファイル名「1足す1EUC.txt」として保存して,この内容をバイナリビューアで表示させると,次のようになります。

見ると,ファイル内容は「31 2B 31 A4 CE B7 D7 BB BB」です。この結果は,ユニコードへ(2023年8月版)の27ページでEUCでの計算結果に合致します。

プログラムは全体で,200行弱ですが,コントロール画面の設定がかなりの部分を占めています。実際,ファイルを指定して,その内容を表示するだけなら,数10行のプログラムで可能です。


工夫の余地はありますが,一応のツールとして使うことができます。興味があったらお試しください。

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